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2026.03.09

調査レポート

【メンパ調査レポート②】働く世代のメンタルパフォーマンス(メンパ)に関する意識調査

はじめに

本レポートは、現代の働く世代が直面する「メンタルパフォーマンス(メンパ)」、すなわち精神的なエネルギーや心の余裕に関する意識と実態を明らかにするために実施したアンケート調査の結果をまとめたものです。今回の調査では、755名の働く世代を対象に、仕事後の精神的余力、仕事の原動力、働き方に対する価値観、そして心の余裕が生まれた際の消費行動など、多角的な視点からメンパの実態に迫りました。

分析の結果、働く世代の半数以上が日常的に精神的エネルギーを消耗しきっており(メンパ枯渇状態)、その結果として4人に3人が趣味や「推し活」といった私生活の楽しみを諦めているという深刻な実態が浮き彫りになりました。また、仕事選びにおいては、高い給与よりも精神的な余裕を重視する「セーフティ志向」が85%以上を占めるなど、働き方に対する価値観の変化も鮮明に現れています。

さらに、働き方別の分析では、派遣社員のメンパ枯渇率が72.5%と突出して高い一方で、フリーランスは41.8%と最も低く、就労形態によるメンパの格差が明らかになりました。

本レポートでは、これらの調査結果を詳細なデータとグラフを用いて解説し、現代社会における働き方やライフスタイルの課題、そして企業に求められる新たな視点について考察します。

調査概要

•調査名: 働く世代の『メンパ(メンタル・パフォーマンス)』に関する意識調査

•調査期間: 2026年1月30日~2026年2月8日

•調査対象: 全国の10代~50代以上の男女

•有効回答数: 755名

•調査方法: インターネット調査

第1章:深刻な「メンパ枯渇」の実態

1-1. 半数以上が「消耗」または「瀕死」状態

仕事が終わって帰宅した直後の精神的な余力(残りHP)について尋ねたところ、全体の半数を超える55.7%が「消耗」または「瀕死」状態(残りHP30%以下)にあることが判明しました。「スマホを眺めるのが精一杯」と表現される「10~30%(消耗)」が49.9%、「何もできず、ただ横になるか寝落ちする」ほどの「0%(瀕死)」も5.8%に上りました。

この結果は、多くの働く人々が日々の業務で精神的エネルギーを使い果たし、私生活を楽しむための余力をほとんど残せていないという厳しい現実を示しています。

1-2. 4人に3人が「趣味・推し活」を断念

メンパの枯渇は、具体的な行動にも大きな影響を及ぼしています。「仕事の疲れが原因で、やりたかった趣味や推し活を諦めた経験はありますか?」という質問に対し、「頻繁にある」(26.6%)と「時々ある」(49.1%)を合わせると、実に75.7%もの人々が、楽しみにしていた活動を断念した経験があると回答しました。

さらに、この「諦め経験」は残りHPと強い相関関係にあります。残りHPが「0%(瀕死)」の人では約8割(79.5%)が「頻繁に」諦めているのに対し、HPが「70%以上(充実)」の人ではその割合はわずか5.3%でした。メンパの枯渇が、人生の充実度を直接的に低下させる「機会損失」を生んでいることが明確に見て取れます。

第2章:仕事の原動力と働き方の価値観

2-1. 仕事の原動力は「生活」と「推し活」の二極化

現在の仕事を頑張る最も大きな原動力は何かを尋ねたところ、過半数の51.0%が「生活費を稼ぐため(最低限の生活維持)」と回答し、多くの人が生活のために働く「サバイバル就労」を余儀なくされている実態が明らかになりました。

一方で、2番目に多かったのは「趣味・推し活を全力で楽しむため(人生の充実)」で24.9%を占めました。特にこの傾向は若年層で顕著であり、20代後半では44.4%、20代前半では42.6%が「趣味・推し活」を原動力として挙げています。これは、仕事が単なる生活の糧ではなく、自己実現や生きがいを追求するための手段として位置づけられていることを示唆しています。

2-2. 85%が給与より「心の余裕」を重視

仕事選びにおいて何を重視するかという質問では、85.6%が「給与は並だが、メンパを常に半分以上残せる職場(セーフティ・サステナブル型)」を選択しました。「給与は高いが、メンパを常にギリギリまで削って成果を出す働き方(ハイリスク・ハイリターン型)」を選んだのはわずか14.3%に留まり、現代の働く世代が持続可能で精神的に健康な働き方を強く求めていることが浮き彫りになりました。

興味深いことに、仕事の原動力が「自身のキャリアアップ・スキルアップのため」という上昇志向の強い層でさえ、ハイリスク・ハイリターン型を選ぶ割合は28.2%に留まりました。これは、自己成長を望む人々でさえ、メンタルヘルスを犠牲にすることには強い抵抗があることを示しています。

第3章:消費行動に見る世代と性別の価値観

3-1. メンパ回復後の1万円、何に使う?

「メンパ(心の余裕)が回復し、自由に使える1万円があったら何に使いたいか」という質問では、世代や性別による価値観の違いが明確に現れました。

全体では、1位が「美味しいものを食べる」(58.8%)、2位が「推し活」(37.9%)、3位が「生活の質を上げる」(35.0%)となりました。日々の疲れを癒すための「食」への関心の高さがうかがえます。

3-2. 若年層の「推し活」への強い投資意欲

特に注目すべきは「推し活」への投資意欲です。20代後半では56.8%、20代前半では59.6%が推し活に使うと回答しており、30代(37.1%)や50代以上(16.2%)と比較して突出して高い結果となりました。若年層にとって「推し活」が、メンタルを回復させ、人生を豊かにするための重要な投資先であることがわかります。

3-3. 女性は「推し活」「美容」、男性は「生活の質」

性別で比較すると、女性は「推し活」(45.5%)や「美容・ファッション」(37.5%)といった自己の充足感や楽しみに繋がる項目への関心が高いのに対し、男性は「生活の質を上げる(便利な家電など)」(39.2%)が「推し活」(30.8%)を上回りました。これは、男性がより実用的・物理的な豊かさを求める傾向にあることを示唆しています。

第4章:理想の職場に求める「心の余裕」

「こんな職場なら、もっとメンパを維持できるのに!」という自由記述回答(347件)を分析したところ、働く人々が求める条件が具体的に見えてきました。最も多く言及されたのは、以下の3つのカテゴリでした。

1.労働時間・残業(17.6%): 「残業がない」「定時で帰れる」といった、プライベートな時間を確保できる環境を求める声が多数。

2.人間関係(14.1%): 「上司が守ってくれる」「人間関係が良好」など、心理的安全性が高く、ストレスの少ない職場環境への要望。

3.休暇・休日(12.4%): 「希望休が取りやすい」「有給が自由に取れる」など、柔軟な休暇制度を求める声。特に「推し活休暇」といったユニークな意見も見られました。

これらの結果から、働く人々は単なる金銭的報酬だけでなく、「時間的余裕」「精神的余裕」「関係性の良好さ」といった、メンパを維持・回復させるための環境を強く求めていることがわかります。

第5章:働き方で見るメンタルパフォーマンス

本章では、働き方の違いがメンタルパフォーマンス(メンパ)にどのような影響を与えているかを深掘りします。正社員、派遣社員、アルバイト・パート、フリーランスといった主要な就労形態ごとに、メンパの枯渇度や価値観の違いを比較しました。

5-1. 派遣社員のメンパ枯渇が最も深刻

帰宅後の残りHPが30%以下の「消耗・瀕死」状態にある人の割合(メンパ枯渇率)を働き方別に見ると、派遣社員が72.5%と突出して高く、全体の平均(55.7%)を大きく上回りました。次いで正社員も58.5%と高い水準にあります。

一方で、フリーランスは41.8%と最も低く、働き方の自律性がメンパの維持に良い影響を与えている可能性が示唆されます。

このメンパの枯渇度は、趣味や推し活を「頻繁に」諦める割合にも直結しています。メンパ枯渇率が最も高かった派遣社員は、趣味を「頻繁に」諦める割合も37.5%と最も高く、逆にメンパ枯渇率が最も低かったフリーランスは、諦める頻度も17.9%と最も低い結果となりました。

5-2. 働き方による価値観と消費行動の違い

仕事選びにおいて「ハイリスク・ハイリターン型」を選ぶ割合では、正社員が16.9%と最も高く、安定した基盤の上でキャリアや報酬を追求する意欲が他の層より高いことがうかがえます。

また、メンパ回復後の1万円の使い道として「推し活」を選ぶ割合は、アルバイト・パートが40.3%と最も高く、時間の融通が利きやすい働き方が推し活との両立を後押ししている可能性が考えられます。

5-3. 働き方別の主要な発見

働き方別の分析から、以下の特徴が明らかになりました。

派遣社員は、メンパ枯渇が最も深刻な状態にあります。業務の裁量権が限られていることや、雇用の不安定さといった要因が精神的負担を増大させている可能性があります。派遣社員の7割以上が日常的に精神的エネルギーを使い果たしており、趣味や推し活を諦める頻度も最も高いという結果は、この就労形態が抱える構造的な課題を浮き彫りにしています。

正社員は、メンパ枯渇のリスクが高い一方で、キャリア志向も強いという特徴が見られます。責任の重さや長時間労働が精神的負担となっている可能性がありますが、同時に成長意欲も高く、ハイリスク・ハイリターン型の働き方を選ぶ割合が他の就労形態より高くなっています。この二面性は、正社員という立場が持つ機会とプレッシャーの両面を反映していると考えられます。

フリーランスは、メンパを最も維持しやすい就労形態であることが示されました。自律的で柔軟な働き方が、精神的な余裕に繋がっていると推測されます。メンパ枯渇率が4割程度に留まり、趣味を諦める頻度も最も低いという結果は、働き方の自由度がメンタルヘルスに与える好影響を示唆しています。

アルバイト・パートは、推し活との親和性が最も高い就労形態です。柔軟な勤務形態が、私生活の充実、特に推し活への投資を後押ししている可能性があります。メンパ回復後の1万円を推し活に使うと回答した割合が4割を超えており、仕事とプライベートのバランスを重視する層に選ばれている傾向が見られます。

結論と提言

本調査から、現代の働く世代が深刻な「メンパ枯渇」に直面しており、それが私生活の充実度を著しく低下させている実態が明らかになりました。人々は高収入を追い求めるよりも、心の余裕を保ちながら持続的に働ける環境を強く望んでいます。

特に、若年層を中心に「趣味」や「推し活」が仕事の重要なモチベーションとなっており、企業は従業員のエンゲージメントを高める上で、こうしたプライベートの充実を支援する視点を持つことが不可欠です。

また、働き方別の分析からは、派遣社員のメンパ枯渇が特に深刻である一方、フリーランスは比較的メンパを維持しやすいという、就労形態による格差が明らかになりました。この結果は、画一的な働き方改革ではなく、それぞれの就労形態が抱える固有の課題に応じた、きめ細やかな対策の必要性を示しています。

これらの結果を踏まえ、企業および社会には以下の点が求められると考えられます。

労働時間管理の徹底と柔軟な休暇制度の導入は、従業員のメンパを維持するための基本的な施策です。残業削減や有給取得の促進はもちろんのこと、「推し活休暇」のようなユニークな制度も、特に若年層のロイヤリティ向上に繋がる可能性があります。自由記述回答で最も多く言及された「労働時間・残業」への不満は、この課題の重要性を裏付けています。

心理的安全性の高い職場環境の構築も極めて重要です。良好な人間関係や、上司からの適切なサポートは、従業員の精神的負担を軽減する上で欠かせません。特に派遣社員のように、組織内での立場が不安定になりがちな就労形態においては、心理的安全性の確保が一層重要になります。

従業員の多様な価値観への理解も求められます。「生活のため」から「推し活のため」まで、働く動機は多様化しています。画一的なマネジメントではなく、個々の価値観を尊重し、それぞれのライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を提供することが、エンゲージメントを高める鍵となるでしょう。

就労形態ごとの課題に応じた支援も重要です。派遣社員に対しては裁量権の拡大や雇用の安定化、正社員に対しては業務負荷の適正化、フリーランスに対しては社会保障の充実など、それぞれの課題に応じた施策が求められます。

働く人々のメンパを守り、高めることは、個人の幸福だけでなく、企業の生産性や創造性の向上、ひいては社会全体の活力に繋がる重要な課題であると言えるでしょう。本調査が、より良い働き方とライフスタイルの実現に向けた議論の一助となることを期待します。

ディアスタッフとして今後の展望

ディアスタッフでは、「メンタルパフォーマンス(メンパ)」に関する意識調査を通じて、最高のパフォーマンスを発揮できる環境づくり「心の余裕を守ること」が、高い生産性と創造性、定着率の向上に繋がるものと信じています。そのため、これからもスタッフ一人ひとりのライフスタイルや価値観に合わせた、多様な働き方の選択肢を提供し、人材派遣サービスだけでなく、人材紹介サービス(DIA AGENT)を通じて、安心して長期的に就労することができる正社員への転職支援などを積極的に取り組んでまいります。